12月31日。
除夜、つまり大晦日の夜の深夜0時を挟む時間帯に、寺院の梵鐘(ぼんしょう)をつく「除夜の鐘」。
紅白歌合戦のあとテレビから聞こえる除夜の鐘を聴きながら、新年を迎える方も多いのではないでしょうか?
私もその一人でしたが、今年は日本三名鐘「近江八景 三井の晩鐘」がある三井寺に除夜の鐘をつきに行ってきました(^▽^)/
その時の様子や感想を紹介したいと思います。
三井寺の除夜の鐘とは?日本三名鐘「近江八景 三井の晩鐘」
三井寺の鐘は「三井の晩鐘」と呼ばれ、近江八景でもあり、日本三名鐘(天下の三銘鐘)のひとつに数えられているそうです。
日本三名鐘(天下の三銘鐘)とは、
・姿の立派な宇治平等院
・由緒の正しい高雄神護寺
・音色の美しさ三井寺
と言われています。
その中でも「日本一音色の響きが美しい 三井の晩鐘」。
長年滋賀に住みながら身近にこんな素晴らしい鐘があることを今まで知りませんでした(^^;)
知った途端「その鐘の音色を聞きたい!ついてみたい!」という衝動にかられ、人生初の除夜の鐘をつきに行った次第です。
さて、日本一の音色の美しい響きの鐘とはどんなものだったかをお伝えしたいと思います。
三井寺の除夜の鐘つき 当日受付の整理券の貰い方
当日、駐車場に着いたのは21時45分頃。
駐車場は350台ほど止められますが、まだまだ空いている状態でした。
車を止めて金堂へ向かいます。
普段は拝観料と駐車場料金が必要ですが大晦日はどちらも無料でした
大門(仁王門)を通り抜け、直進して階段を上ったところに金堂があり、除夜の鐘つきの当日受付は22時30分からこの場所で出来ます。
私の場合は少し早めの22時頃に到着したので、そこで「当日受付出来ますか?」と尋ねたところ、「ここ(金堂前の受付)より、奥の『観音堂』の事前受付の方が鐘つきの順番が早いですよ」と教えていただいたので、観音堂に向かうことにしました。
観音堂の正確な位置がわからないまま奥に向かって歩いていきます。
参道に沿って提灯のような灯りがあったので道に迷うことはありませんでしたが、足元は少々暗め。
初めて訪れる場所なので少し不安になりながらも、坂道や階段をのぼり、10分ほどで無事に観音堂に到着しました。
観音堂の事前受付は既に列ができていましたが無事に受付完了。
22時20分頃の受付で整理券が「172番」でした。
冥加料(鐘つき料)¥1,000を受付時に支払い、時間まで待機します。
番号札を失くさないように注意です。
観音堂には受付以外にも、おみくじやお守り・御朱印などもあり、甘酒もふるまわれていました。
いただいた甘酒を飲みながら大津の夜景を眺めて待ちました。
三井寺の除夜の鐘つきのながれ
23時15分前から観音堂にて献灯(提灯のような灯り)が配られます。
数に限りがあるので早い者勝ちです(^^;)
とりあえず受け取りに行きましたが大渋滞でした。番号札を見せて献灯を受け取るのかと思いましたが関係なく配られるようです。
献灯が全て配られると、鐘がある金堂に向かって行列の出発です。
整列すると「三井寺の除夜の鐘にまつわる伝説」と、歩くときの掛け声「六根清浄懺悔懺悔」について説明がありました。
三井の晩鐘をついて旧年の厄を払い新年の招福を祈願する除夜の鐘の行事は、琵琶湖の龍神にまつわる伝説です。
ある日、湖畔で子供たちが蛇をいじめているのを見た若者は、蛇を助けます。その夜、ひとりの美しい女人が若者の家を訪ね一夜の宿を借り、やがて二人は夫婦となり子供を身ごもります。妻は「決して中を覗かないよう」言い残し産小屋に籠もりますが、心配になった若者は、約束を破って中を覗いてしまいます。ところが中では大蛇がとぐろを巻いて赤子を取り巻いていたのです。気づいた大蛇はしっかりと玉を握りしめた赤子を残してかき消えてしまいました。
残された赤子は握っていた玉をしゃぶりすくすくと育ちますが、やがて、この噂を聞きつけた領主に玉を取り上げられてしまします。湖畔で若者が困り果てていると、琵琶湖から龍が現れ、「わたしはあの日浜辺で助けていただいた蛇です。あの玉はわが子が無事に育つようにとわたしの眼玉を与えたものです。まだ片方の眼玉がありますから差し上げましょう。ただ、わたしは盲目となってしまいますので、わが子の姿を見ることができなくなります。どうか三井寺の鐘を毎日ついて子供の無事を知らせて下さい。歳の暮れには一年が過ぎたことが分かるように多くの鐘をついて下さい。お返しにひとびとに幸運を授けましょう」と頼みました。
以来、三井寺では除夜の鐘に際しては、龍神を慰めるため多くの灯明を献じ、龍の目玉にちなんだ目玉餅を供え、鐘をつく数は108に限らずできるだけ多くの人にできるだけ多く鐘をついてもらうようになっています。
「六根」は仏教の概念で、眼(視覚)、耳(聴覚)、鼻(嗅覚)、舌(味覚)、身(触覚)、意(意識)の5つの感覚+意識を意味します。
人間は欲望にまみれていると、ものごとを正しく認識し、正しく見たり聞いたりできません。正しい認識のためには、欲望を捨て、五感と意識を清らかにしておく必要があります。だから「六根清浄」なのです。山伏はこうした欲望を捨て去り、諸感覚を研ぎ澄ますために、険しい山を歩きながら「六根清浄」と唱えるわけです。「さんげ(懺悔)」とは、人間が犯したいろんな罪や間違いを、神仏の前でひれ伏して清めていただくことをいいます。
ほら貝を合図に巡行のはじまりです。
琵琶湖の龍神を先頭に、登ってきた参道を2列になってゆっくり歩いていきます。
金堂の広場に近づくにつれ、にぎやかな音が聞こえてきました。
音楽イベントが行わているようです。
私たちが来た時とは違い広場はたくさんの人であふれていました。
初詣に来られたたくさんの人が見守る中、行列のまま金堂の縁側をぐるっと1周して、本堂に靴を脱いであがります。(脱ぎにくいブーツなど履いていくとこの時困るかも)
参拝を済ませ、献灯を返却して本堂を出ました。
既に除夜の鐘つきが始まっていて、10人区切りで鐘楼の中に入場出来るようになっていました。
鐘の音色を聞きながら近くで順番が来るのを待ちます。
この時ゆるキャラのべんべんも広場にいて、子供たちは一緒に写真を撮ったりはしゃいでいました^^
年が明け30分ほど経ったころ、自分の番号札の順番がきました。
一列に並び鐘楼に向かいます。
間近に鳴る鐘の音は、迫力があり、何とも言えない心地よい音色でした。
自分の順番がやってきました。
目の前にすると鐘の大きさに圧倒されます(^^;)
鐘つきは「いち、にの、さ~ん」の掛け声で、若いお坊さんが補助をしてくれるので、誰でも簡単に美しい音色を響かせることができますよ(^▽^)/
172番の番号札をもった私が鐘をつけたのは、0時40分頃でした。
鐘をつき終わり番号札を返却すると記念品と交換して貰えます。
冥加料(鐘つき料)¥1,000で、貴重な経験が出来て縁起の良い記念品まで貰えて、寒かったけどとてもいい思い出が出来ました!
まとめ
人生初めての除夜の鐘つきで、鐘つきまでのながれもわかりませんでしたが、無事に鐘をつくことができました。
流れを知っていれば行列の先頭付近を狙うこともできるかもしれません(⌒∇⌒)
ちなみに、三井寺の除夜の鐘は108回ではなく、つけばつくほど龍神さまが喜んで幸福を授けてくれるとのこと。
23時過ぎまでに観音堂で受付をしないと行列に参加することはできませんが、鐘をつくだけなら0時を過ぎても大丈夫です。
人数制限がないので、希望する人全員が撞き終わるまで受付されているそうですよ(^^)/
22:30~金堂の広場ではジャズコンサートのような催しもやっていたようなので(私は観音堂にいたので観ていないですが)、早めに受付を済ませて金堂で楽しむのもいいかもしれません。
幸先良く新年を迎えられたので、除夜の鐘つきは我が家の恒例行事にしたいと思います。
そしてまた機会があれば、季節の違う三井寺を訪れてみたいです。