最近、耳にする「下流老人」や「老後破産」という言葉。
50代が迫ってきた今、老後の生活に不安を感じずにはいられません(^^;)
年金で何とかなるとは思えないのが正直なところですね。老後に必要な資金の目安と、40~50代から貯めるコツをまとめてみました。
高齢者世帯夫婦の年間収支と老後資金の目安
「老後資金をいくら貯めればいいのかわからない」
「準備しておかなくてはと・・・分かっているけど子育てに追われてそれどころではない」
と悩んでいる40~50代は多いのではないでしょうか(^^;)
総務省の家計調査に、高齢世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦無職世帯)の年間の平均収入が251万円というデータがあります。
それに対して年間の平均支出が316万円です。
高齢者夫婦の家計収支は、年金などによる収入に対して生活費や住居費、車の維持費、保険料などの支出が上回っているため、年間で約65万円の赤字となります。
そのため不足分は現役時代の貯蓄を取り崩して補う必要があります。
仮に寿命を90歳と想定した場合、65歳からの25年間で夫婦の年間不足分は、1,625万円になります。
それ以外にも病気や介護、家の修繕費用などの突発的な支出に備えて1,000万円程度の蓄えは持っていたいところです。
合計で2,625万円になりますが、余裕を持った金額3,000万円が老後必要になる資金の目安です。
今の40~50代が老後資金を貯めにくい理由
・税金や社会保険の負担増
近年、配偶者特別控除の一部廃止、年少扶養控除廃止などの手取りを減らす税制改正が相次いでいます。それにより所得税や住民税、厚生年金保険料などの社会保険料による負担が増加しています。
対して、給与の手取り収入は減少しています。
・利息を得られない超低金利
現在70代以上の人が働いていた頃は定期預金の利息が今より断然高く、銀行に預けておくだけで10~15年で元本を2倍近く増やせましたが、超低金利が続き預貯金の利息でのお金を増やすことが出来なくなりました。
・教育費の高騰
今の40~50代が大学生だった頃より学費が格段に高くなっており、今の大学生の2人に1人は貸与型の奨学金を借りています。
給料の伸び以上に教育費は上がっているため、1977年と2016年の大学の初年度納付金(授業料含む)を比較すると、私立で約3倍、国立で約5倍も増えています。
・高額な住宅ローン
金利が低いと毎月の返済額が少なくなるため、たくさん借りることができ、身の丈以上の借入額になるリスクがあります。
60歳以降にも返済が続くローンを組むと、毎月は返済が少なくてラクではありますが、その分確実に老後の生活に影響を及ぼすことになります。
近年は定年前に完済出来ない計画で多額のローンを組むケースが多いようです。
・消費好きのバブル世代
好景気のバブル期を経験した40~50代の人(主に50代)は、バブルを経験しているので
「使うお金の金額」=「人間の価値」
という意識が抜けない人も少なくありません。
「人よりいい車に乗りたがる」「部下を引き連れて飲み歩く(もちろんおごり)」など、他の世代より消費好きの傾向があり、貯蓄が少ない場合が多いようです。
老後資金を貯めるポイント
「税金や社会保険の負担増による手取り減少」と「利息を得られない超低金利」は、外的要因なので個人での対策は難しいですが、それ以外の老後資金を貯められない要因については自分でコントロールすることも可能です。
「教育費の高騰」については、公立と私立では学費に大きな差が出るため、子供と進路を相談することにより資金計画が立てられます。
「高額な住宅ローン」については、定年時のローン残高を確認し、老後に負担を先送りしないよう、返済プランを考えることが大切です。
「消費好きのバブル世代」については、最も自分でコントロールしやすく、またコントロールしなければならないポイントでもあります(^^;)
全員に当てはまるわけではありませんが、若い世代に比べて、50代はお金を使うのが好きな人が多い傾向にあります。生活費、交際費、余暇費については、予算を縮小します。
その他の支出についても、先延ばしにせず見直すことです。
また専業主婦家庭の場合は、妻がパートで働くことによって世帯収入をアップさせることが出来ます。
パートの収入によって世帯収入を増やす際、気を付けたいのが「社会保険の壁」です。
「106万円の壁(従業員501人以上の会社)」と「130万円の壁(従業員500人以下の会社)」があり、壁を越えると、妻は夫の社会保険の扶養から外れ、社会保険を自己負担する分、手取りが減少します。
「社会保険の壁」を念頭に置いて働いてみてはいかがでしょうか。
家庭を支える主婦がパートで働くためには、家族の協力が必要になります。
よく話し合い夫婦円満で働けるといいですね(^^)/
まとめ
・老後に必要な資金の目安は「余裕を持って3,000万円」
・「教育費」「住宅ローン」「生活費・交際費・余暇費の予算縮小」
・「パート収入による世帯収入増」
どれも家族でよく話し合い、協力が必要なことばかりです(^^;)
私も50代目前。老後に困らないように、今から出来ることを始めてみたいと思います。